2023年6月17日(土) 15:00-17:00に、東京工業大学 情報工学系の計算機室 (大岡山キャンパス) において「ACRi ルーム・ハンズオン : HLS 入門」を開催しました。HLS (High Level Synthesis、高位合成) の入門者 / 初級者を対象に、HLS による FPGA 開発を体験してその魅力に触れることが目的です。当日は10名が参加して HLS による回路設計を体験しました。
HLS は、C/C++ などのプログラミング言語を利用し、RTL (Register Transfer Level) よりも高い抽象度で回路設計を行う技術です。RTL よりも少ないコード記述で複雑なアルゴリズムを実装するのに適しているため、設計期間を大幅に短縮できることが期待されています。とはいえ、HLS で効率的な回路を設計するにはある程度の経験とコツが必要です。本イベントでは、参加者が実際に手を動かしながら、HLS を利用した簡単な回路の設計とその高速化にチャレンジしました。
当日は、次の流れでイベントが進行しました。
15:00 – 15:30 スライドによる説明 (1)
HLS に関する一般的な知識と、ハードウェア設計において重要な概念であるパイプラインについて説明がありました。また、ハンズオンで利用する HLS チャレンジについて説明がありました。
15:30 – 15:45 ハンズオン (1)
計算機室の Mac から ACRi ルームへ接続する方法や、HLS チャレンジへのアクセス方法を確認しました。初めての方もしっかりしたサポートがあるので安心です。万が一パスワードを忘れても、管理者が手伝ってくれるので大丈夫です。
15:45 – 16:15 スライドによる説明 (2)
HLS チャレンジで高スコアを実現するための実践的なテクニックの紹介がありました。スライドが配布されるので、後でゆっくり見て理解することができます。
16:15 – 17:00 ハンズオン (2)
テキストに沿って HLS チャレンジのお題に取り組みます。テキスト通りに進めることで、入門者でも回路の高速化手法とその効果を確認できます。講師が様子を見て回っているので、分からないことなどあれば何でも質問できます。テキストの演習が時間内に終わらなくても、ACRi ルームや HLS チャレンジはいつでも利用できます。後日、自宅からチャレンジすることもできます。
参加者Hさんの声
「HLS に初めて触れましたがテキストが用意されていて難なく進められました。HLS チャレンジの他のお題にもチャレンジしてみたいと思いました。」
まとめ
HLS 入門と題してハンズオンを開催しました。ACRi ルームのオフラインでのイベントは3ヶ月おきに開催予定です。また、オンラインでのイベントも随時開催しています。詳しくは ACRi のイベントページ (connpass) をご確認ください。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
HLS チャレンジ : https://acri-vhls-challenge.web.app
HLS チャレンジ演習テキスト : https://github.com/acri-room/hls-challenge-labs
ザイリンクス株式会社 (AMD-Xilinx) 安藤潤
東京工業大学 下岡紀暁 / 吉瀬謙二