20Q1 第1週の ACRi ブログ執筆者による座談会 (1)

2020年の第1クォータ (20Q1) の連載もなんとか終了してほっとしているところですが、今後のブログ執筆者や読者の皆様に裏側の事情をお伝えしようと、第1週のブログ執筆者5名をお迎えして座談会 (ビデオミーティング) を開催しました。

何回かに分けて、2020年6月12日に開催された座談会の様子をお伝えします。

ブログのご執筆ありがとうございました。今回は100分くらいの座談会を予定しています。
まず最初に連載の順番で自己紹介をお願いします。その後、ACRi ブログを執筆して悪かったところ、執筆して良かったところ、について伺っていきます。
それでは、自己紹介をお願いします。

はじめまして三好です。日々 FPGA を簡単に楽しく使えるようになるといいなと思って活動しています。具体的には、Java を使った高位合成処理系の Synthesijer を作ったり、マルチコア RISC-V システムを作ったりしてます。よろしくお願いします。

東海大学の大川です。ロボットの色々な処理に FPGA を使えないかという研究をしています。最近はロボットの開発で標準的に用いられる ROS の中で FPGA を簡単に使う方法を検討しています。あとは、授業で大学2年生とか3年生とかに強制的に FPGA を使わせる実験をやったりとかもしています。よろしくお願いします。

Xilinx の安藤と申します。もともとは ASIC 屋さんで、回路設計をやってたんですけれど、縁があって FPGA の Xilix に入って、今はデータセンターグループという Alveo カードを売る事業部で技術担当として、Alveo のサポートをやっています。よろしくお願いします。

こんばんは。東工大のティエムです。FPGA で Network-on-chip アクセラレータに関する研究をおこなっています。この執筆までブログを書いたことがなかったので、今回が初めての経験になりました。日本語で文章を書く経験も浅いのですが、添削でなんとかなりました。よろしくお願いします。

みなさんこんばんは。筑波大学の小林です。2011年から2016年まで東工大で FPGA について色々と遊んでいたら、筑波の先生方に声をかけていただきまして、現在、高性能計算に FPGA をどう使えばよいか、どう利活用できるかということで研究しています。あとは学生さんの心が折れないように FPGA を教えることに苦心して頑張っているところです。よろしくお願いします。

自己紹介ありがとうございます。それでは、悪い方からお伺いします。今回 ACRi ブログを執筆してみて大変だったところについて、サイコロで順番を決めて語ってもらいます。(電子サイコロで)最初は大川先生です。

悪かったところというのは、読む人、読者が FPGA の専門家じゃないという想定で書いたので。間違ったことを書くと、FPGA わからないとか、ツールの使い方でもちょっと違うことを書くとそこではまってしまって解決できないんじゃないかと。FPGA の門が閉じてしまうことがないように気を付けたことが大変だったかな。

それは別の表現をすると、精神が削られる、ということ?

そうです。あとは締め切り (1週間前) までに原稿を出せたことが一度もなかったことでしょうか。

想定する読者が大学生ということで、うまく伝わるかという不安を感じながら書いてました。意識したところとしてはイメージが伝わるといいなと思って、FPGA って面白そうとか、使えそうだなとか、やってみたいなとか、そういうふうに、なんとなくこうゆうふうに動いてるんだってイメージが伝わって興味をもってもらえたらいなと思って。
正確性については若干犠牲にして、正確ではないけれども伝わるようにと考えて。正確に書かないことで、少し楽をしたということがありました。
あとは、対象が学生ということで、 幅広い人に読んでもらえるブログ記事が書けたのが良かったです。あ、悪い点ではなく、良い点をいってしまいました。
あとは時間がかかって、いつも期限ぎりぎりというか、(1週間前の) 期限が過ぎてから、公開の直前に書き上げました。心身ともに体調が悪かったです。最後の5回目の記事が公開された水曜日の午後はとても体調がよかった。
チュートリアルの内容に時間を使いすぎて、記事の執筆を最後の数日でやるスタイルになってしまったのは反省点です。

悪かったところは難しいですよね。結構時間を使ったので疲れはしましたよね。やらなきゃいけないことを犠牲にした感はあります。
思ったよりたくさん時間がかかって、見積もりがうまくできなかったことが悪かったことでしょうか。でも、それは自分側の問題でブログを書くことの問題ではないですよね。
IP コアの最初の記事を書いたときに内容が薄いといわれたので、まあそれはそれでいいじゃないかと思って、次から濃くしていったら今度は濃いといわれて、想定する読者を意識するのが難しかった。
そうか、記事に対して反省というのは、書いているうちに、やっぱり欲がでるというか、イントロなので簡単なことを書いてるんだけど、ちょっと簡単じゃないことも知ってるんだぜ、というのは知らせたい。欲がでてしまったのは悪かったことかもしれません。

皆さんと同じで、苦労しました。ただ、これはブログ執筆の問題ではなく自分の問題ですね。時間の管理が難しかったということです。4月に東工大に移ったばかりだったので、引っ越しや新しい研究の立ち上げで忙しかったです。コロナウイルスで在宅勤務の影響もありますが、多くの仕事を並列にやることに慣れていないのが主な原因です。
なかなかブログ執筆の時間の確保が難しかったです。いつもギリギリですが、やさしく編集者に対応してもらいました。
もっとうまく時間を管理して仕事を効率的にやらないといけないと思っています。
あとは、WordPress にあまり慣れていないので、Tex や Markdown のようなエディタがあれば良いと思いました。

あれ、WordPress って Markdown で普通に書いたのをはればきれいになるの知ってましたか? そうなんですよ。ソースコードやリンクや箇条書きも普通に Markdown で書いて張り付けると奇麗になります。
いまさらですけどね。圧倒的に楽ですよ。

悪かったところは大変だったことですかね。それは手間がかかる。研究者的に言えばエフォートが削られるということですけど。
わかりやすく伝えなきゃいけないと同時に、我々プロなので、間違った情報を流布させるわけにはいかないという責任、プレッシャーを感じてたので、細心の注意を払いながら文章を考えたり、文体だとか、図を作ったりとか、それでどんどん時間がとられてエフォートが削られるのが大変なところでした。
ただ、それ以上に良いところがたくさんあるので、それは後の良いところでいっぱいアピールしようと思います。

悪い点を伺ってきたので、これからの執筆者のためにも、この悪い点をこうすればもっと減らせたんじゃないか、こうしたら良かったんじゃないかという点があれば教えてください。

この座談会を連載の間にはさむといいかもしれない。なんか、心が折れそうなタイミングで、中休みじゃないけど。一つの案ですよ。

それは、孤独な作業だったのでつらかったけれど、周りの人のやりかたを聞いていると気が楽になったということ?

例えば、私がここを書くから参考にしてよとか、逆に、そういうこと書くんだったら、こっちでこれを振っとく、みたいな。最初では決めきれないようなことを途中で、お互いの進捗状況に応じた融通というのができると、精神の安定的にはよかったのかな。みんな頑張ってるみたいに。
図も新しく作っているので、分担ができたらよかったかな。

確かに。お互いの記事をフックできる仕組みがあればよかったと思いました。
あとは、やっぱり文章に慣れておくことかな。WordPress とかのツールになれておく。例えば、地図の埋め込み、画像、ソースコードの埋め込みとかに慣れていないと、そこで時間をとられてるのかな。

他の人の記事を見ると、この記法はどうやるんだ、みたいなのがあったりするですが、他の人の記事のソースは見えないですよね。WordPress の権限の問題だと思いますが、他の人がどう書いてるかを見えたら作業効率が良かったかもしれませんね。もっとソースコードが見えるように工夫してもらえると、だいぶ嬉しいかな。

締め切りについては、一旦あきらめがつけばザーっと書くんですよね。もっと上流の段階で編集者とコミュニケーションすると良いのかな。章立てとかの段階で相談するとか。

締め切りは1週間前がいいと思います。その1週間が徐々に削られていくんですよ。1日ずつどんどん遅れてくんですよね。初回の1週間前という締め切りはすごくいいと思うんですよ。

思っていたよりも時間がかかるというのが、つらさの1つだと思うんです。どれくらいを想定していて、実際はどうだったんでしょうか?
例えばブログ5000文字の記事の執筆と聞いて、どう考えて、実際はどうだったのでしょうか?

何をかこうかな、そこなんですよね一番時間を使ったのは。骨組みを決めるまでが苦労した記憶があります。

何を書くかを半日考えて、半日で書こうと思ってたんですけど。半日が実は自分の心の余裕のある時間で3日くらい使っていたかもしれない。

考えていたんですけど、なんか閃かないんですよ。締め切り近くにならないと。

閃きというのは、「あきらめ」なんですけど実は。

最後に名言をいただきました。この記事ではここまでとさせてください。

次の記事は「ACRiブログを執筆して良かった点」の話題から始まります。お楽しみに。

ACRiブログ 編集長

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