2020年の第1クォータ (20Q1) の連載もなんとか終了してほっとしているところですが、今後のブログ執筆者や読者の皆様に裏側の事情をお伝えしようと、第1週のブログ執筆者5名をお迎えして座談会 (ビデオミーティング) を開催しました。
2020年6月12日に開催された座談会の2回目です。前回は ACRi ブログを執筆して悪かった点について話してきました。今回は、良かった点です。
大変だったところはこれくらいにして次にいきましょう。
今回 ACRi ブログを執筆してみて良かったところについて、サイコロで順番を決めて語ってもらいます。(電子サイコロで)最初は安藤さんです。
良かったところはさっき先走って言っちゃったんですけど、ACRi ブログということで、会社から離れて、 気持ちとしては個人的な想いを書きました。
高位合成とかアクセラレーションが好きなので、そういう自分の好きな話題を書けた、AWS の F1 を使って手を動かすという。普段、自分の中でモヤモヤしている所を少し整理して書けたかな、というところがありました。それが自分としては良かったです。勉強になったし、良い経験になりました。
会社の方ならではの感想かもしれないです。大学の人は結構、自由に書いてますよね。なかなか新鮮でした。
良かったところは、1点目として、自分のこれまで積み重ねてきた知識を再確認できること、ブログを書くことによって。わかりやすく、楽しく、正確に人に伝えることを心掛けてきたので、そういった観点から考えると、あやふやな所を自分で再確認しながら進める場として ACRi ブログを使えたのは良かった。
2点目は、我々人間は忘れる生き物なので、時間がたったら細かいところは忘れていくと思うんですね。そういったところを補填するために、この記事を書けたのはよかったと思います。
3点目は、学生に、こういうことをやりたいんですけど、と言われたときに、そういうことは記事に書いたのでハイと投げれるので。教育のアシストができるのは良かったかな。
最後、4点目が、自分や限られた人しか知らない情報をちゃんと伝えることができた、例えば、スパコンとして FPGA が組み込まれているのは世界で2台だけなので、そういう話題を提供できたのは良かったと思います。
あと最後、5点目がありました。Twitter でポジティブなコメントがあると結構うれしくなりますね。ACRi ができてから、結構 ACRi が注目されてるなという、自分たちのやっていることが価値があることだと認識できたのは良かったです。今のところネガティブなコメントは見たことがないです。
ポインタとして指し示せる場所ってのを作れたのは良かったです。
こういうのやりたいって言われたときに、PYNQ は絶対に便利だし、っていうのをこれまでも言いたかったんですけど、じゃあそれを言えるリソースを持ってるかというと、公式のページ見て、となるわけですよ。そうすると、ちょっとそれ難しいから、ってなるわけですよね。そういう人に対して、こうなったらいいのになってのを書かせてもらったので、良かったですね。
あとは、これまで発表し損ねていた小ネタ、おすすめは BRAM を後で埋めるっていう、かなり好きなんですけど。あまり知名度がない小ネタを披露できる場所ってのは良かったかな。Tcl スクリプトを使って便利だよ、とか小ネタを入れられたのも良かったかな。
知識が整理できたのも良かったです。FPGA って何っていうのを色々なところで書いてるんですけど、定期的に書くと新しいことを思いつくというか、知識が更新されてよかったかな。
良かったところですが、今回のブログのおかげで、研究成果とそれに関連する研究を多くの人に知ってもらったと思います。
紹介した論文を発表してから3年になりますが、IEEE Digital Library のダウンロード回数は979でした。それに対して、今回書いた2回目のブログのアクセス回数は一週間で561と聞きました。自分の友達にも読んでもらったようです。友達にブログのことは全然伝えていないのですが、Twitter で知っていたようです。
思っていたより多くの人に読まれていて嬉しいです。
ここはひとつのポイントだと思うのですが、執筆していく中で何人に読まれているかというのは、どのくらい意識されていましたか?
途中で人気記事のランクを表示するようにしましたが、どれくらい見ていましたか?
毎日見てましたね。
僕の記事がランクインされないな、って悲しくなった瞬間はあったんですけど、それ以上に Twitter のリツイートといいねの数を見てました。今日は○○先生より多い、みたいな。
ランキング、気になりますよ。やっぱり。瞬間風速が見えないので、私の記事が1番というのはダラダラと稼いでいるというのもあると思うんですよね。今週の人気記事といったランクがあるともっとバチバチするかもしれないですね。
三好さんの記事の参照回数が一番多くて確か1500回くらいいってますよね。
今みたら1600になってる。ちょっと嬉しい。頑張って書いた甲斐はあるな。
ちなみに、1回目の少ないものでも小林先生の記事の384回です。それだけの方に伝わってますので。
なんか、ドラゴンボー〇の初期の戦闘力みたいですね。300って。
次のバージョンだと一桁くらい増えるんだ、みんな。
話が広がってきましたが、良かった点の一つが多くの人に読んでもらえたことですね。良かった点の最後は大川先生です。
良かったことの1番目はですね、締め切りが近くなってごめんなさいとメールすると、応援してますってメールが返ってくるのが良かったです。編集長と仲良くなれたのが良かったです。
2番目はですね、想定する読者層が違う記事を書くっていう経験と、違う読者層に読んでもらえたのが嬉しかったですね。例えば、家族とか友達とか、こんな研究してるんだみたいな。それで Facebook とかでいいねとか押してもらえると。そういうのが楽しかったですね。
3番目ですけど、私の記事の場合はここ数年間でやってきた研究をまとめる記事を書いたんです。そうすると1個、1個やってきた仕事を全部つながったストーリーにするというのを文章化できたのが良かった。半生を振り返る、みたいな感じになりました。
今までやってきた研究のつながりを再確認できたのが良かったと思います。
そういえば、このブログは書籍化するんでしたっけ?
最初は意外と、まあといってもなあ、という感じだったわけですよ。書き終わった今のテンションとしては、電子書籍になるなら是非してほしいと思っています。なので、やっぱり依頼を受けたときより、せっかく書いたものがウェブにも残るし、何か電子書籍のような形で広がるならば、それはとてもモチベーションになるんだなと思っています。
ブログの執筆者にとってはとても嬉しいことなんじゃないかと思います。次のブログの執筆者にとってのアピールポイントとしても良いんじゃないでしょうか。
思ったより嬉しかったですね。他の原稿も書いてるので、こんなに嬉しくなるとは思わなかった。まあ、つらかったから、かもしれませんよね。
はい。最初から、電子書籍化も視野にいれて進めています。すべてのコースが電子書籍になる訳ではないのですが、うまく組み合わせて出版する予定です。
執筆がつらかった、というのもあって、出来上がったものを多くの方に伝えていきたいですね。ブログの段階である範囲の方に伝わって、電子書籍でも伝わる層があるのであれば伝えてほしい、ということですね。
ところで、このブログは (ACRiの活動期間の) 3年間続けるんですか?
どんどんネタがなくなってこないか心配です。
論文の紹介があったり、FPGA の活用事例であったり、手を動かすであったり、次のクォーターから始まる高位合成ツールの話題であったり、まだまだ色々なジャンルがあるのでネタに関しては困らないと思います。
ブログの形式について教えてください。今まで、色々なブログを執筆した経験のある方もいますが、ACRi ブログの特徴はありましたか?
自分で書いてるやつは、やっぱり、自分で勝手に読者も想定するし、自分で書きたいことを書いてるわけですよね。
今回、ACRi ブログはお客さんがいて、その人に向けて、その人のプレッシャーの中で書くので、だいぶ違いがありますよね。読者を想定したということでしょうか。
これは僕の感想なんですけど、確かに三好さんのいつものブログと今回の ACRi ブログの難易度はちがうなと。いつも書いているブログは玄人向け、FPGA を当然やってるよねという前提で書かれているので、読者は選ぶかな。その分、いつも良質な記事を書かれているので必見ですよね。
なので、三好さんがいつも書いているブログと ACRi ブログはかなり違いがあると思います。
ブログ執筆に慣れている著者もいますが、安藤さんはブログ初挑戦ですよね。
はい。ブログは初挑戦です。想定読者が大学2年生ということですが、FPGA を知らない方ということで、結構、気を使いましたね。連載が5回ありますけれど、途中、不安でした。自分の書いている記事がわかってもらえてるのか。面白いと思ってもらえてるのか、そういうところは気になってましたね。
5回の中でどう書いていくかっていうのは書きながら一つずづ考えていきました。できたところまで書くという。
大川先生が話していたように、「あきらめ」ですね。すごく壮大な理想を描くんですけど、とても間に合わなくて、途中であきらめて、執筆するっていう。
このブログはゆくゆくは英語で書いてください、と言い出すんでしょうか?
いい質問ですね。
たぶん、そうはならないと思います。ACRi の活動は国内限定の予定です。世界に展開するときには別の形になると思います。日本語でのサービスをしっかり提供していきたいですね。
「ACRiブログを執筆して良かった点」の話題から、ACRi ブログの難しさの話題へと進みました。この記事ではここまでとさせてください。続きは、次の記事で。
ACRi ブログ 編集長